うつ病の社会的および経済的影響が、日本をはじめ世界的に大きな問題になっていることから、その数が増加し続けるのを防ぐための対策を取る必要があります。このような対策は、(世界保健機関)や各国政府などの機関によって提案されることはもちろんですが、心身ともに健康そして幸福でいるためには、私たち自身がどのような行動をとるかが非常に重要になってきます。このことから、ブログQuiérete Mil Veces Másの著者であり、メンタルヘルスのエキスパートであるホセ・ラモン・ガルシアは、うつ病の予防、自尊心の向上、そして自分をもっと愛し、幸せになるために役立つヒントを提案しています。彼の言葉を引用すると - 「私たちは、一生を通して、楽しいものやそうでないものなど、私たちの人格を特色づけたり成長させたりするたくさんの経験を積みます。さらに、年を追うごとに、それまで理解できなかった人生に起こることの意味の見方も理解できるようになるのです。」- 最終的な目的は、私たちに起こるすべての物事に向き合うために必要なスキルを、可能な限り健康的な方法で手に入れることです。うつ病に関する知識と思いを私たちと共有してくれたホセに感謝します。
ホセ・ラモン・ガルシアによるゲストブログ
うつ病のデータ
うつ病は、世界保健機関(WHO)が障害の大きな原因とみなしているにもかかわらず、実際には国によって11%から15%、世界では約3億5,000万人がすでにうつ病で苦しんでいます。平成26年に実施された調査では、日本のうつ病患者数は約112万人と、調査開始以来過去最高の人数となりました。うつ病は実際に自分に症状が現れ、苦しんでから初めて深刻に捉える病気のひとつです。そしてほとんどの場合、その時点で私たち自身で解決するには遅すぎるのです。そこで大事になってくるのが、事前の予防です。
「定期的な車のオイルレベル、バッテリーターミナル等の点検を怠ったときと同じようなことです。欠陥に気づいたときにはもう遅いのです。」
予防のタイミング
事実、私たちがうつ病に苦しんでいる間は、病気の影響を抑えるための出口計画やショック戦略を、効果的かつ建設的な方法で考えることができるほど余裕はありません。なぜなら私たちの心が主な影響を受けているからです。定期的な車のオイルレベル、バッテリーターミナル等の点検を怠ったときと同じようなことです。欠陥に気づいたときにはすでに遅いのです。
症状が現れ始めたその時点、あるいは私たちがすでにうつ病に侵されている時点でとれる最も賢明な行動は、一刻も早く、私たちに何が起こっているのかを診断し、適切な治療を提案してくれる医者にいくことです。
うつ病の症状
うつ病の主な症状を書き起こしてみましょう。(必ずしもこの順序で起こるわけではありません)
- 自尊心の低下
- 悲しみ
- 不安
- 罪悪感
- 喜びの欠如
- 食欲不振
- 睡眠障害
- 物と人に対する興味の喪失
- 集中力の欠如
- 嫌悪
予防要素
私の意見では、上記の症状の中で、自尊心の低下を防ぐことがうつ病の予防可能な要素だと思います。実際に、自尊心の高い人は、食欲、睡眠、快感、興味、集中力などの欠如の問題がないことが非常に多いのです。自尊心が低いときは、困難や問題に立ち向かう能力も低いです。
私たちは、自分の特定の感情や感覚が現れることに敏感になり、自分自身を制限してしまう傾向があるため、それぞれの人の自尊心のレベルを考慮した上で注意することが、うつ病の予防における重要な要素であると私は考えています。
「ギリシャ語やラテン語のルーツを見ると、自尊心とは自己賛美や自分に対する感謝として理解されています」
自尊心とは
ギリシャ語やラテン語のルーツを見ると、自尊心とは自己賛美や自分に対する感謝の感情として理解されています。カナダの心理療法士ナサニエル・ブランドンは、それを肯定的な自己評価と定義しています。また一般的に言えば、自尊心とは、一生を通して育む信頼、尊敬、感情、思考、そして経験に基づいて行う自己評価のこととされます。
自尊心の低い人の特徴
自尊心の欠如は、怒りや不満などのネガティブな内的感情を経験したときに顕著に現れ、それがうつ病あるいは自傷行為につながる可能性があります。突然感じる不機嫌な気持ち、過敏症、不安、自己嫌悪、罪悪感などので自尊心の欠如を察知することができます。
「自尊心の低い人は、些細なことに非常に敏感で影響されやすい人であり、弱い性格をしています...」
自尊心の低い人は、些細なことに非常に敏感で影響されやすい人であり、弱い性格です。彼らは自分の意見を述べることができますが、それを強く主張することはありません。また、彼らは自分たちに価値を感じず、愛情に執着しがちです。そして、自分を他人と比較する傾向があり、自身の能力に自信がないため、強い不安と不信感を感じます。このように失敗を恐れるがゆえ、すべてを拒絶することさえあります。そして自信がないがゆえ、悩みや問題ばかりに集中してしまい、可能な解決案や代替案探そうとしないことから、失敗に繋がってしまう傾向があります。
どのようにして自尊心を高めることができるか?
自尊心があるということは、自分への感謝やリスペクトがあり、自分自身の性格や自分の能力についてよく理解しており、それらを受け入れているということです。自尊心を向上するための基礎は、自分自身をしっかりと知り、よりうまく自身の管理を行うことなのです。
自尊心の向上のために役立つ10のポイント:
- もっと自分を愛する。
私たちをユニークで特別にする、自身の価値や能力にもっと目を向けましょう。人生であなたが努力して成し遂げたことをもっと誇りに思ってください。ただし、虚栄心に陥ることは避けてください。 - 他人と自分を比較しない。
同じ人間は一人としていません。人生、境遇、環境もすべて人とは違うのです。それぞれの人に個性があります。私たちは、他人のほうが自分よりも優れていると思いがちですが、それは個人的感覚度にすぎません。それぞれの人に良い点とそうではない点がありますが、それらは個性であり、比較されるべきものではないのです。 - あなたに起こるすべてのことは、すべて当然あなたの責任だと思いましょう。
罪だと言っているわけではありません、責任です。言い換えれば、あなたに起こったことは、あなたの行動の結果であり、その責任を負い、目をそらさず、自分の人生の手綱を取りましょう。他人に自分の人生を決めさせてはいけません。 - あなた自身を受け入れる。
現実を受け入れ、自分の強みと弱みを忘れずに自分の姿をしっかと認識することが必要です。けれど、常に進化することも忘れないでください。 - 完璧を求めない。
人生と人は不完全であるため改善の余地があるのです。完璧を追求しようとするのは、苛立たしくて非現実的です。 - 達成可能な目標を設定する。
到達可能の範囲を超えた目標は設定せず、現実的で、実際に達成できるようなことを目標に掲げましょう。 - 罪悪感を感じない。
あなたの人生の道のりに訪れる悪い状況や困難に対して気をとがめず、逆境こそ成長できるチャンスだと思いましょう。あなたが知っているベストな方法でそれらを切り抜け、一瞬一瞬の幸せを大事にしましょう。 - 文句を言わない。
誰がこうしたや、こうすべきでないという文句は時間の無駄であり、なにも導きません。物事はなされるままに受け入れ、それらの伴う機会を見つけ出しましょう。困難はチャンスです。 - 自分に限界を引かない。
自分の可能性や能力に制限をかけることはやめましょう。合理的な状況や機会を前にして、挑戦することもなく「できない」と言ってはいけません。 - 自分の発言に注意する。
「できない」や 「不可能」など、ネガティブな表現や制限的な表現を自分の頭から消去し、「試してみる」 、「私ならできる」、「やればできる」、「少しずつ上手くなっている」などのポジティブな言葉を口にするようにしましょう。もちろん、自惚れたりズルをしてはいけませんよ。
*うつ病の予防に関する知識や、自尊心を高めることの大切さなどをMyTherapyブログと協力し、共有してくださったホセに今一度感謝したいと思います。 また、あなた自身のストーリーをMyTherapyのブログでシェアしたい場合は、お気軽に小山にお問い合わせください。メール
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